峠の茶屋
「峠の〇〇」と聞くと、多くの人は「峠の釜めし」を思い出すかもしれない。
しかし、山形では「峠の力餅」である。
2022年10月29日
奥羽本線峠駅の駅前にある「峠の茶屋」で販売している、「峠の力餅」は受験生の縁起物らしく、先生が受験前に買ってきて生徒に配ることもあるらしい。
しかしながらこの「峠の力餅」、なかなか難易度が高い。この峠の茶屋のある峠駅、超ローカル駅でなんと1日6往復しか列車が止まらないのである。米沢方面から行く場合ちょうど昼時に着くような列車は13:26着で、食事をして米沢方面に戻ろうとしても次の列車は16:32発、約3時間後となる。山に囲まれ周囲に観光できるようなところはなく、登山が趣味の人でない限り時間を持て余すことになる。
これまで公共交通機関か自転車しか移動手段を持っていなかったが、9月上旬念願のバイクを入手でき意を決して「峠の茶屋」へ向かうことへ。
国道13号線を福島方面へひた走り、西栗子トンネルを抜けすぐ先の丁字路を右折、板谷駅の脇を走るとすぐに車がすれ違えないくらい細い通りになり、前方からはバイクの集団が。同じような考えの人たちが多いようだ。
養豚場のかぐわしい香りを楽しみながら進むと正面には大きな風力発電の風車が目に入る。最後には本当にここでいいのか?と思うような道を進み下り坂の舗装の荒れたカーブを下ると人家らしきものが見えひだりがわに「峠の茶屋」が。
ちょうどこれから到着の列車に合わせて力餅を駅売りに行くご主人とすれ違う。
まさに「ぽつんと一軒家」。力雑煮そばをいただく。
柔らかい餅と山菜のそば。見た目通りの味ではあるが、寒くなってきたこの時期にバイクで冷えた体にはとてもうれしい。力餅は10個入り?で一人で食べきれないので今回は茶屋に来られたことで満足したのでパスすることに。
お茶はストーブに乗っているやかんで急須で淹れるが、水は外のパイプから流れ出るものを勝手に注いで飲んでくれとのこと。なかなかワイルド。
腹も膨れたので、峠駅を見学。当然のことながら無人駅。
スノーシェッドの中にある雰囲気のあるたたずまい。
奥羽本線は新幹線も同一ルート、これまで何度も新幹線では通過したことがあるのだが内部をじっくり見るのは初めて。雪深いエリアの駅は維持も大変そう。
峠散策もこれで終了。10月末ともなると寒くなりバイクには厳しい季節になってきた。春には山形のさらなる魅力を堪能したい。